上場企業・上場会社情報
ウォルマートの事業概要
アメリカには巨大ショッピングモールなどを展開する大型量販店が多く存在しています。なかでもアメリカのスーパーマーケット業界で大きな影響力を持つ「ウォルマート」について紹介します。
ウォルマートとは

「ウォルマート」はアメリカのアーカンソー州に本社を置く世界最大のスーパーマーケットチェーンです。親族経営企業であると知られており、一族の総資産はマイクロソフト社のビル・ゲイツさんを上回るとされています。
アメリカ国内はもちろん、日本を含む世界中でチェーン展開をしています。「薄利多売」戦略で業績を伸ばし、巨大スーパーマーケットへと成長しました。
ウォルマートの販売戦略

ウォルマートとは1962年にサム・ウォルトンさんが創業した「ウォルマート・ディスカウント・シティ」という小売店から出発したスーパーマーケットチェーンです。野菜や日用品をはじめ、電化製品や銃などの販売も行なっているため「ウォルマートに行けば安くて何でも手に入る」と言われています。商品を大量に仕入れることで低価格を実現し、コストを抑えるために店員の数や人件費を抑えて、薄利多売を実現しています。このビジネスモデルは、自社の企業成長だけでなく、小売業界にも大きな影響を及ぼしました。
アメリカだけではなく南米やヨーロッパ、アジアなどにも事業を拡大し、世界最大の売上を誇るスーパーマーケット企業となりました。
しかし、その反面でウォルマートの価格競争や品揃えに勝ることができなかった地域の小売店が廃業に追い込まれるという事態も生じています。地域商店がなくなってしまい、遠くの商店まで買い物に行くことが困難な、いわゆる「買い物難民」を増加させるという現象もアメリカ各地で起きています。そのため、各地でウォルマートの進出を反対する動きもみられます。
また、安価な中国製などの輸入品を多く販売するため、アメリカ国内の製品の販売が伸び悩むといった批判も集めています。
日本でのウォルマート
日本では、現在の「西友」がウォルマートの子会社となっており、東京都を拠点とするスーパーマーケットチェーンとして営業をしています。
「西友」は1956年に旧西武グループ内・西武百貨店のスーパーマーケット部門として創業しましたが、のちに西武グループが事業撤退しました。しかし、イオングループやイトーヨーカ堂などの大手小売店との商戦激化により経営が低迷したことで、2002年にウォルマートの子会社になりました。当時は薄利多売のアメリカ流で販売戦略を行なっていましたが、一度に大量買いをせず、毎日まめに買い物に行き、良い物を見定めた上で低価格を求める日本の主婦層には受け入れられず、赤字経営が続きました。そのためウォルマートの経営方針から離れ、日本に適した西友独自の戦略を取り入れながら改革を推し進めたことで、経営が安定してきました。