上場企業・上場会社情報
セントレックス(現在はネクスト市場)とは?
セントレックスは、名古屋証券取引所が開設している新興企業向けの市場でした。英語での表記は「Centrex」となります。
中部地方を代表する新興市場

セントレックス(現在はネクスト市場)は、将来において成長が期待できる企業に対して、資金調達の機会を与えることを目的に、名古屋証券取引所が1999年10月に開設しました。東京証券取引所が開設していた東証マザーズ(現在はグロース市場)と同様に、セントレックスは名古屋証券取引所の一部や二部といった本則市場へのステップアップを目指す企業のための市場でした。規模的には当時の東証マザーズには劣りますが、その分、セントレックスに上場を目指す企業にとっては、身近な存在でした。セントレックスは1999年の開設以来、累計35社が上場。そのうち、約3割が本則市場への上場を果たしたという実績があります。
地方市場では、中堅・中小企業が多く、規模は大きくないものの地域の経済に密着しており、地域経済の発展の中心的な存在である場合が多く、地元で期待されているものでした。しかしながら地方の経済では、中央とは違って資金調達のハードルが高く、セントレックスのような新興企業向けの新市場は、地域経済にとって重要な市場と言えます。2013年時点では、上場企業の中心は東京の企業となっていますが、中部地区の投資家が投資を行なうことで、中部地区の経済発展に寄与していました。
セントレックス(現在はネクスト市場)の特徴

ネクスト市場では、機動性や柔軟性を重視した市場形成を行なっており、そのために、既存市場とは異なる特徴があります。その代表的なものが、「企業規模を問わない」ということです。ネクスト市場に上場したいと思う企業に門戸を幅広く構えており、名古屋証券取引所では、「成長事業を有する売上高があれば上場申請が可能」としています。ネクスト市場では事業計画を中心に経営者にヒアリングをして、成長事業かどうかを確認しています。また、上場基準の株価時価総額においても東証マザーズの10億円という基準をはるかに下回る「時価総額5億円以上」としています。さらに、上場申請書類については、有価証券報告書の作成を求めていません。基本的には事業計画や利益計画など企業実態を把握することを重視しているため、作成費用や時間的コストを低減できるという特徴があります。
こうしたハードルの低さは、市場の信用力にかかってくるため、投資家の参入数が伸び悩む傾向になりがちですが、名古屋証券取引所は東京証券取引所、大阪証券取引所に次ぐ規模であるため、中部地域の経済活性には欠かせない存在です。投資家の人たちも、東京一極集中になりがちですが、視野の広がるユニークな銘柄が見つかる可能性もあります。